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引っ越しで荷物が紛失した場合の補償と対策

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引っ越しを業者に依頼するときに心配なのが、荷物の紛失トラブルです。大切な荷物に万が一のことがあっては大変です。

実際、消費者センターに引っ越しサービス関連で寄せられる相談件数は、年間2,500件前後です。これには、荷物の紛失の相談も含まれています。もしもの場合に備えて、業者から受けられる補償と対策を知っておくことが大切です。

このページでは、引っ越しで荷物が紛失した場合に業者から受けられる補償と対策を解説します。

引っ越しサービスに関する相談件数は、年間2,500件

まず、業者に引っ越しを依頼した場合の荷物の紛失トラブルが、どれくらいあるのか?

消費者センターには、引っ越しサービスに関する相談が年間2,500件前後寄せられています。この中には、荷物の紛失の相談も含まれています。

年度 2012年 2013年2014年2015年2016年2017 年
相談件数2,4872,7272,6942,5282,357 1,044(9月30日時点)

(出典:国民生活センター/http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/hikkoshi.html

また、平成13~18年度に消費者センターに寄せられた相談総数11,784件のうち、荷物の紛失の相談は1,861件。15.8%を占めます。

引っ越しサービスに関しての主な相談内容
(出典:http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20070207_2.pdf

「引っ越しのプロ」である業者といっても、人間の手が作業を行います。トラブルの可能性はゼロでないことを、あらかじめ知っておくべきです。

荷物が紛失した場合に受けられる補償と依頼主が取るべき行動

では、業者に依頼した引っ越しで、万が一荷物が紛失した場合、どうなるのか?

ここからは、荷物が紛失した場合に受けられる補償と依頼主が取るべき行動について解説します。

荷物が紛失した場合、業者に損害賠償してもらえる

荷物が紛失した場合、依頼主は業者にその分の損害を弁償してもらえます。

国土交通省が定めた標準引越運送約款によれば、業者は、請け負った引っ越し作業について、自らの注意を怠らなかったことを証明しない限り、損害賠償をすることになっています。

“第二十二条 当店は、自己又は使用人その他運送のために使用した者が、荷物の荷造り、受取、引き渡し、保管又は運送に関し注意を怠らなかったことを証明しない限り、荷物そのものの滅失、き損又は遅延につき損害賠償の責任を負い、速やかに賠償します。
参考:http://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/butsuryu/riku/24_4.htm

ただ、どの程度の弁償を受けられるかは、業者の規定によります。全額弁償ではなく、使用年数を踏まえた上での弁償になる場合が多いです。

弁償の仕方も、業者が同等の代替え品を用意したり、依頼主側が代替え品として購入した分の金額を振り込んだり、紛失した品物の購入金額をもとに計算した金額を振り込んだりするなど、様々です。

また、業者から補償を受けられるのは、荷物の引き渡しから3ヶ月以内に限られます。業者にしっかり弁償してもらうには、期限内に連絡しなければいけません。

荷物の紛失に気づいたら、とにかく急いで業者に連絡しよう

荷物が紛失した場合、依頼主が取るべき行動は、とにかく急いで業者に連絡することです。

上述の通り、連絡が引っ越しから3ヶ月以降になると、業者から補償を受けることができません。

また、3ヶ月以内であっても、引っ越しからかなり時間が経った後では依頼主側の責任で紛失した可能性も生じ、最悪の場合、業者に補償してもらえない可能性もあります。

荷物が紛失していることに気づいたら、急いで業者に連絡してください。

業者から納得のいかない対応を受けたら、消費者センターに相談しよう

荷物の紛失の連絡をしても、100%業者が補償をしてくれるわけではありません。また、業者によっては、納得のいかない対応を受けることもあります。

例えば、壊された品物より安い金額しか補償されないと言われたり、窓口対応の受け答えが腹が立つような対応であったりと、様々なケースがあります。

紛失した荷物について、業者が責任を負うのは当然です。ただ、ネットの口コミをみると、「業者の対応が遅い」「結局補償してもらえなかった」などの書き込みがあるのも事実です。

もし、担当者がしっかり対応してくれない場合、まずは本社に連絡してみてください。本社の専用の窓口が連絡すれば、迅速に応じてもらえることが多いです。

それでも対応に納得できない場合は、消費者センターに相談してください。

そうすれば、不誠実な業者に対して適切な処理をしてもらうことができます。

業者の対応にあれこれ悩むのであれば、すぐに消費者センターに相談をして、少しでもトラブルを解決することをオススメします。

荷物の紛失トラブルに対する5つの予防策

ここからは、荷物の紛失トラブルに対する予防策について解説します。

荷物が紛失した場合、業者に補償してもらえるとはいえ、全額の弁償でないこともあります。

また、卒業アルバムなど市販されていないものが紛失した場合、同じ物は二度と手に入りません。業者によっては、なかなか補償に応じてくれないこともあります。

大切な荷物を失わないためには、未然に防ぐことが大切です。予防策は、次の5つです。

荷物の紛失トラブルに対する予防策

  • 貴重品は自分で運ぶ
  • ダンボールに通し番号を書く
  • ダンボールの中身を記録する
  • その場で荷物の中身を確認する
  • 信用できる業者に依頼する

それぞれについて解説します。

貴重品は自分で運ぶ

貴重品は、必ず自分で運ぶことをオススメします。

具体的には、現金、宝飾品、預金通帳、印鑑、有価証券などです。これらの貴重品を業者任せにするのは危険です。

標準引越運送約款では、貴重品について「業者は引き受けを拒否できる」と定めています。実際、「貴重品は運べない」としている業者がほとんどなのです。

それを知らずに、業者に預ける荷物のなかに貴重品を入れておいてしまうと、、、紛失されても補償してもらえないことがあるのです。

厳禁や宝飾品などの貴重品が、万が一でも紛失することがあっては非常に困ります。ですので、貴重品だけは必ず自分の手で運ぶようにしてください。

ダンボールに通し番号を書く

ダンボールに通し番号を振っておくのも、効果的な予防策のひとつです。万が一、ダンボールが紛失していても、すぐに気づくことができます。

搬出前・搬入後、ダンボールの通し番号をもとに、荷物が全て揃っていることを業者と一緒に確認できれば万全です。足りない箱があれば、すぐに探してもらってください。探すタイミングが早いほど、見つかる可能性は高いです。

梱包するときには、ダンボールに何が梱包されているかを書くことが基本です(後述します)。それとあわせて、ダンボールには通し番号を書くことをオススメします。

ダンボールの中身を記録する

荷物の紛失防止には、ダンボールの中身を記録しておくことも有効です。面倒でも、ダンボールの中身を書いたリストを作成しておきましょう。さらに、中身を写真に収めておけば、安心です。

「荷物が紛失した!」と思っても、単に荷造りのときに入れた場所を忘れているだけのことも多いです。リストに書いておけば、簡単に行方不明になった荷物を見つけ出すことができます。

荷物が紛失している場合は、リストや写真をもとに業者に弁償を求めることができます。ダンボールごと紛失した場合、何が入っていたのか分からなければ、請求のしようがありません。

また、業者によっては、「本当にその品物が荷物に入っていたのかわからない」と、弁償を拒否してくることもあります。

ダンボールの中身を書いたリストや写真は、行方不明の荷物の発見や業者から弁償を受けるための証拠として大いに役立ちますよ。

その場で荷物の中身を確認する

新居に運んでもらった荷物は、業者がいるうちに中身を確認してください。ダンボールの数は揃っていても、中身の一部のみ紛失している可能性もあります。

ただ、実際、限られた時間内で、リストに書いてある全ての荷物をチェックすることは難しいです。特に大切な荷物は、あらかじめリストに印をつけておき、優先的に確認するようにしてください。

紛失している荷物があれば、すぐに業者に伝え、探してもらいましょう。

どうしても見つからない荷物があれば、引っ越し作業完了のサインを求められても断ってください。これは、全ての荷物が運び込まれたことを認めるサインです。見つからない荷物があるなら、サインすべきではありません。

「荷物が揃ったらサインする」と伝え、しっかり探してもらいましょう。

荷物の紛失トラブルを防ぐには、荷物の搬入後、業者がいるうちに中身を確認するようにしてください。

信用できる業者に依頼する

トラブルなく無事に引っ越しをするには、業者選びも非常に重要です。

依頼する業者は、複数の業者から見積りをとり、実際に訪問見積りも受けた上で、最も信用できるところに依頼するようにしてください。料金の安さだけで決めるのは危険です。

さらに、業者の補償内容についても、確認しておきましょう。独自の約款を採用している業者の場合、標準引越運送約款と補償の規定が異なる可能性があります。

なお、引っ越し業者の探し方について、詳しくは「パパッとパパの引っ越し業者を選ぶポイント」で解説しています。参考にしてください。

新居での生活を気持ちよくスタートさせるため、これらの予防策を取り入れ、無事に引っ越しを終わらせましょう。

できるなら、3~4月の引っ越しは避けた方が良い

最後に、荷物の紛失トラブルの可能性をさらに低くするために、できれば引っ越しが混み合う3~4月に引っ越し業者を利用するのは避けることをオススメします。

引っ越しシーズンは、利用者が多い分、紛失のリスクが高くなります。また、一時的な人手不足を補うために、日雇いやアルバイトの作業員を使っている業者もあります。

紛失トラブルのリスクを下げるには、業者が荷物や作業員の管理をしやすい5~2月に引っ越しをするのがオススメです。

やむを得ず3~4月に引っ越す場合は、当日の作業員や、補償制度について、しっかりと確認するようにしてくださいね。

まとめ

引っ越しのプロである業者に依頼しても、荷物が紛失する可能性はゼロではありません。

その場合、3ヶ月以内に業者に連絡すれば、損害賠償を受けることができます。業者の対応に納得いかない場合は、消費者センターに連絡してください。

大切な荷物を失わないためには、あらかじめ対策をしておくことも重要です。

貴重品は必ず自分で運びましょう。ダンボールに通し番号を書いたり、リストや写真で中身を記録したりするのも、荷物の紛失防止に効果的です。新居に運んでもらった荷物は、業者がいるうちに中身を確認してください。

また、引っ越しは、安心して荷物を任せられる業者に依頼することが大切です。さらに安全性を高めるなら、引っ越しシーズンの利用は避けることをオススメします。

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